私の知り合いが、今年からワイン畑を始めました!
去年一年間、農家さんのもとで栽培の基礎を学んだところ、何とそのワイン畑をそっくりそのまま譲り受けたんです。
そして今年が初めての剪定作業。
早速その剪定作業にお邪魔しました。
非常に高品質のぶどうが採れるワイン畑

この畑で育てている品種「ツヴァイゲルトレーベ」は、オーストリア原産の赤ワイン専用品種。
ツヴァイゲルトレーベは気軽な早飲みのタイプから、オーク樽で熟成し、しっかりとしたタンニンで厚みのあるボディのものまで、さまざまなタイプがあります。
その中でもこのワイン畑からとれたツヴァイゲルトレーベは、「国産ワインコンクール」などの品評会で、入賞はここ数年当たり前。
間違いなく、岩手県で最高峰のぶどうが採れるワイン畑です。
剪定鋏を持つ手が震えましたよ・・・

1つの枝がワイン1本分。そーですね…、1枝3,000円ってところでしょうか。
研究所の木でさえ緊張するってのに、岩手県最高峰を触っていいんでしょうか。笑
まぁ剪定で味が決まることは無いですが、大切な作業のひとつなことに変わりないです。
より良い果実が実りそうな状態のよい枝を見極め、適切な位置にしっかりと誘因していきます。
来年のことを考えながら剪定を進めます。
剪定はイメージ。
初心者の私はどうも今年の成長の事ばかりに気が行ってしまいがちに…。
自分では良いと思っていても、「そこはこの方が良い。」などといった貴重なアドバイスを何度もいただきました。
来年はどこから芽が出てくるのか。どの枝を使うのか。どんな形に仕上げていきたいのか。

今年いくら良いぶどうが収穫できたとしても、それが一度きりでは全く意味のないこと。
その年の自然条件に左右されながら、その年最良のぶどうを、毎年安定して収穫する事が大切なんです。
農家として、収量も意識しながら。
農家にとって、収穫量は経営に大きく影響する大事な指標です。
しかしワイン畑では、むやみに多く収穫することができません。
どうゆうことかというと、良いワインになるためには「凝縮感」と「糖度」の2つが絶対条件です。
ワイン畑ではそのようなワインにとって最高のぶどうを収穫するために、1本の木からとれるぶどうの量を少なく制限させているのです。
では今できる事は何でしょう?
それは、空きスペースを少なくすること。
「空きスペース」とは、木が枯れたり、弱ったりして、垣根にできる「空いた空間」のことです。
剪定はじっくり木を観察するいい機会です。
弱った気をそのままにしておかず、原因を把握してしっかりと対策をしていく。
弱い木は強く切り、強い木は長く切るなど、基本的なことしかまだわかりませんが、剪定は数年先の事を考えながらしていくと再度勉強させてもらいました。
ノコギリで切ったあとは、切り口の保護をしっかりと。

芽を出さない不要な枝は、害虫のすみかになったり、残しておいても良いことが何もないので根元から綺麗にカットです。
ノコギリを使うほどの太い枝。
切り口が大きいだけに、塞がるまでに時間がかかります。
その間、枯死や腐敗の危険性が高まるのでケアを忘れてはいけません。
木には木工ボンド?!

木材をくっつける時やっぱりこれ。
木工ボンド!!笑
私も目を疑いましたが、小学校の図工でよく使った、あの「木工ボンド」そのものでした。
黄色いラベルのヤツ。
乾くと透明になって水をはじくし、なにより安いし…。
先生いわく、
「保護専用の薬品と成分が一緒だからこっちの方が安くていい。」
との事。
コストダウン、大事!笑
剪定が終わったら皮を剝ぐ作業が待っています。
ぶどうの皮は虫のすみかに最適。
薬を使う場合でも、皮が厚くて全体に行きわたらないそうです。
何百本ある木を一本一本向いていくとなると、気が遠くなりそうですね・・・。
タイミングが合えば、私も一緒に作業をしてみたいと思います。