台風はここ岩手県にも大きな爪痕を残していきました。
被害にあわれた方々、お見舞い申し上げます。
収穫間近の強風・豪雨
農業は自然が相手ですから、その年の気候によって収穫が大きく左右されます。
ぶどう収穫前の雨はかなりやっかいですよ。凝縮したぶどうのジュースが雨で薄まってしまうんです。お米みたいに乾燥機に入れて乾燥させるわけにもいきませんから、収穫のタイミングはとてもシビアなのです。
幸いなことに、強風による被害はかなりすくなかったように思えます。ぶどうの房も落ちる事がなく、しっかりとついてました。
今回は収穫前のぶどうを実際に食べてみようと思います。
収穫まで一カ月の「リースリング・リオン」の味は?!
本日の研修先の農家さんです。
岩手県の白ワインの代表ともいえる「リースリング・リオン」を触らせていただきました。本日の作業は主に房落とし(摘房)です。こちらの畑では1.5を目安にどんどん摘房していきます。
関連記事:【ぶどう研究所】今年の摘房は通年より多め!?【もっと良いワイン2016】
作業の合間にちょくちょくつまみ食いしてました。(許可もらっています)
つまみ食いをしていると、味わいの違いがだんだんわかってくるんです。その法則と理由に私は気づく事ができました。まぁ、気づくと言うよりも、農家さんに教えてもらったのですが、、、笑
場所によって異なる味
同じ木から実っている果実でも、実る場所によって味が違うことに気づきました。

これ、わかりますか?笑
垣根仕立てのデッサンです。笑
茶色い土から左右4つに分かれているのが一目でわかりますね!
今回はこれがポイントになってきますので説明していきます。
日当たりのいい場所は甘いのか?
ぶどうに限った話ではないのですが、甘くておいしい実がなる一番の条件は日当たりです。近くに木や建物があり、日差しを遮られてしまう場所はあまりよろしくないです。
では、先程の図をご覧ください。
方角を考えた時に、上を北、下を南だと仮定します。すると、南側に面している③と④の日当たりは、北側の①と②に比べて良いんです。
日当たりが良い方と悪い方を比較
まずは写真をご覧ください。

こちらは、③と④の画像です。日中は常に日光が当たる良い条件となります。
そして次の写真は同じ時間に、この裏側を撮影したものになります。

ほら、全然違ます。
手前から奥までずっと日陰。こうなってくると、同じ木から実った果実でも味が素人でもわかるくらい違います。
では実際に食べてみましょう!
びっくりするくらい違う味
もとは同じ木から実った果実ですから、違うとしても若干だろうと思っていましたが、全然違いました。
見た目はたいして変わらないんですが、味はまるで別物。
光の当たり具合で、日陰の果実が緑っぽく見えますが、ほぼ同じ色です。
実は柔らかく、ぶどうそのものです。さて、では味をみてみましょう。
日当たりのいい方

収穫にはまだまだ早いものの、ほんのり甘みがあって優しい酸味。種の周りが渋くなかったです。
日当たりが悪い方

こちらはとにかく酸っぱい。甘みなし!種の周りは渋みがありました。
上級キュヴェの誕生
この違いを利用して、ワインを差別化している所もあるそうです。上質なぶどうの実だけを使った数量限定のワインです。
日本以外では畑や地域によってランク付けされていたいり、糖度や収量が厳しく制限されていたりします。
日本ではまだそのような基準がなく、自由にのびのびと栽培しています。
今後、世界に名を轟かす素晴らしい国産ワインの誕生を願っています。