今日は農家さんにお邪魔しています。
ぶどうの実も膨らんできてかなり混み合ってきました。これを綺麗に整えてストレスなく成長できるようにしてあげます。
ワイン用ぶどうを栽培する垣根を手入れします。
ぶどうの仕立てをご存じでしょうか?
仕立ての種類は大きく分けて「棚仕立て」と「垣根仕立て」の2種類です。この2種類の仕立てに合わせてぶどうが成長し伸びてきたツルを誘引し、収穫や用途に適した形に整えてあげます。
今回はワインに使われるぶどうで、垣根仕立ての手入れをしていくのですが、その前に仕立てについて説明させてください。あまり深く掘り下げずざっくりと紹介します。
棚仕立て
棚仕立ては主に食用のぶどう栽培に適しています。

特徴としてこのようにぶどうの実が上からぶらさがって実っています。
日本で広く用いられ、かなり親しみの多い栽培方法です。例えば、ぶどう園を想像してみてください。食用を育てているぶどう園はほぼ間違いなくこの棚仕立てで栽培されています。
垣根仕立て
垣根仕立てはワイン醸造用ぶどうの栽培に用いられます。

このように一列に植えられ、下から上に誘引していきます。ぶどうの実は樹の下の方に一列に並んで実ります。
ワインと言ったらこの栽培方法ですね。棚仕立てに比べ糖度が上がりやすいと言われています。一本一本の樹の間隔が狭く、凝縮した果実を実らせてくれます。
では実際にこの垣根を手入れしていきましょう。
絡まっている実を手入れします。
ぶどうの実が大きく膨らんでくると、ツルや葉っぱと絡み合ってしまいます。ストレスなく成長してもらうにはこれをしっかりとほどいてあげる必要があります。
それと同時に、多く実りすぎたぶどうの房は落としてしまいます。これを「摘房」といいます。この作業はせっかく実った果実を落としてしまうので、かなり勿体なく感じてしまいます。しかし、甘く、凝縮したぶどうを収穫するためにはやむおえない事です。しっかりと見極め、上質のぶどうを目指しましょう!!
垣根仕立ては絡みやすい!?
棚仕立ては果実が何もない空間にぶら下がるのに対して、垣根仕立ては果実がぶどうの葉やツル・ワイヤーなどと混在する為、絡んでしまう確率が非常に高いです。

この写真は垣根仕立てで栽培されているリースリング・リオンです。
リースリングリオンとは、岩手県で多く栽培されている白ワイン品種です。グレープフルーツや青りんごの香りが特徴です。
これから実が大きくなっていくわけですが、ごらんのとおりごちゃごちゃしてます。
これをひと房づつほどきながら手入れしていきます。結構な勢いで絡んでますので、実を傷つけないように慎重かつ大胆に(どっち?笑)ほぐしていきます。
足腰の負担が大きいです。
ぶどうの果実の位置が低いため、作業は立ったりしゃがんだりの繰り返しです。この作業は本当に足腰に負担がかかります。
ちなみに棚仕立ての食用ぶどうは果実の位置が高いので、ずーっと上を見上げての作業です。なので足腰の負担はありませんが、首と腕に負担がかかります。
どちらの仕立ても果実の手入れは重労働ですね。
そこで、本日の秘密兵器を紹介いたします。

農家さんオリジナルぶどう作業用イスです。
物を運ぶ台車を改造した動くイスですね。これはかなりの優れモノ!!
長時間の作業も全然苦になりません。もちろん足腰への負担もゼロ。
ピーマンの収穫に明け暮れていた親父もこれを欲しがっていました。私も収穫ができるくらいぶどうが育ったらこのイスを自作しようと思います。これはマストです!!
房落としはかなりもったいない。
作業中に余分な房を切ってしまうのですが、これが非常にもったいなく感じてしまいます。
この時期は一つのツルに二房づつ残していきます。
基本的には二房しか実らないのですが、まれに三房なっている場合があります。しっかりと糖度を高めるためにも、多く実ってしまった房は落とします。

もったいない!!
こんなに大きく立派に実ったのに。
でも残したら上質なワインができませんからね。ここは子を谷に突き落とす思いで切っていきます。
ワインづくりは、ぶどう作りが肝心ですから!
怠らずしっかりと手入れしていきます。