枝を切り詰める作業摘心。
風通しや、光をまんべんなく通してあげる大切な作業ですが、いつまでもダラダラとやっているわけにはいきません。
農業にも期限があります。植物は成長を待ってはくれませんからね。
摘心は必要なのか?
そもそもぶどうには摘心という作業が本当に必要なのでしょうか?
枝が長く伸びると、葉面積が増えて光合成がたくさんできるので、ぶどうの実も大きく、甘くなるような気がします。
フランスの有名なワインの作り手の中にも、少数ですが摘心しないで栽培している方がいます。
気候条件や土壌も全然違うので、この方法が日本で通用するかどうかはわかりません。
それに世界中で栽培されているぶどうのほとんどが摘心を行って栽培しているという事実、そして日本で栽培に成功しているという実績があります。
そういった事をふまえると、摘心した方が無難。
私の園地でも摘心してます。
今年は実験のために少しだけ無摘心の列をつくりました。結果次第では、来年からの栽培方法がガラッと変わってしまうかもしれませんけどね。
摘心による効果
摘心をするとなにがどのように変わるのでしょう?
品種や場所によっていろいろ違いはあるでしょうが、摘心により、収穫する房の形や質が変わってきます。
着粒数
ぶどうの房に実る粒の数が摘心によって変化します。
例えば、生食用のぶどう栽培の場合、開花前に摘心を行います。この理由として、果実を大きくしたいという狙いがあります。
早めの摘心は、果実の肥大や着粒数の増加が期待できます。
ぶどうの味
摘心を行わないと、「枝が伸びる事に集中し、果実にエネルギーを使わないから糖度が上がらない」などといった噂を耳にします。
本当かどうかやってみなければわかりませんが、果実の質に影響していることは間違いないでしょう。
先輩方の話や、本などから得た知識を組み合わせ、実際に検証し、私なりの方法を習得していこうと思います。
開花後、30日以降の摘心は控える。
さて、園地のぶどうも摘心は急ピッチで行ないました。
数日前まで、マンズレインカットの破れた隙間から枝がでてきているくらい茂っていましたが、なんとか7月中に終了。

何度も言いますが、基本は7月中にすべて終わらせます。8月に入ったら行いません。
理由は、果実の質が落ちるから。
開花後、約30日後の「硬核期」の摘心は控える。
私の栽培理論として今後も実行していこうと思います。