「果樹園の草刈り」は、どのようなやり方が適しているのか?

ぶどう園




 

果樹園に限った事ではないですが、「草刈り」という作業を、どのような考えで行っていますか?

「単純に、草が伸びてきて景観が悪いから草刈りする。」

そのような考えが一般的だと思いますし、私も最近までそうでした。

草刈りと一言でいっても、自分が目指す栽培方法によって刈り方を工夫しなければいけないなと改めて感じました。

 

なぜ、草刈りをするのか。

まずはなぜ果樹園で、草刈りという作業が必要かを考えていきましょう。

  • 景観維持
  • 作業の効率化
  • 虫対策

大きな理由としてこのくらいだと思います。

ではちょっと考えてみましょう。

 

景観維持

草が伸びていると、やっぱり見た目が悪い。

膝くらいの草であればまだ我慢できますが、それ以上伸びるとさすがに見た目が悪すぎるので草刈りしなければいけないと思ってしまいますよね。

草刈前

 

作業の効率化

「効率化」とかきましたが、要するに草が邪魔だということです。

草がのびてくると、非常に歩きずらい。

台車などを使う場合、草が抵抗となって押してもなかなか進まず、余分なエネルギーを使ってしまいます。

長靴をはかなくても作業できることを考えると、草は無い方が効率が良いというかんがえです。

 

虫対策

ぶどうの場合、木の周りに草が生い茂っていると、虫がぶどうの木についてしまうので、しっかり刈らなければいけないといわれました。

これは、木の近くに虫を住まわせないようにするって事ですね。

私は草刈りにおいて、虫とどう向き合っていくかが非常に大切なポイントだと思います。

 

なぜ草を生やすのか。

そもそも、なんで草刈りという作業があるにも関わらず、草を生やすのでしょうか。

果樹園では、畑のように土を耕して草を生えさせない「清耕栽培」と、草を生やす「草生栽培」があります。

どちらの栽培方法にもメリット・デメリットがあり、それを理解したうえで「草生栽培」という選択をしたのだと思います。

 

草の刈り方を工夫しよう。

草生栽培を選択したならば、草を刈るという作業は必ず必要です。伸ばしっぱなしにするわけにはいきませんから。

でも頭を使って草刈りを行えば、ぶどう栽培が今以上にもっと良くなると私は気づきました。

 

草の中の虫を受け入れる。

草の中には多くの虫や微生物が暮らしています。

草を刈ってしまえば、住み家を失った虫達はどこに行くでしょう?

園地の外の草に行ったり、死んでしまったりすると思いますが、これにはデメリットもあります。

ぶどうに付く害虫を退治してくれる虫がいなくなったり、害虫がぶどうの木にきてしまったり・・・。

なので、虫の住処を確保しつつ、草を刈ってあげればよいのです。

 

今後やるべき草刈りの方法とは?

いろいろ考えた結果、今後草刈りをしていくうえで、試してみたい方法が2つあります。

 

高刈り

高刈りとは、草を刈り取る位置を地面ギリギリではなく、15センチくらいの位置で刈り取る方法です。

そうすることにより、クモやカエルなど虫の住処を確保しつつ、イネ科の雑草を抑えてくれるようです。

 

一列おきに刈る

一度に園地すべてを刈るのではなく、垣根と垣根の間を一列残して草刈りしようと思うんです。

そうすれば虫の生態系を維持しながら、景観を良くすることができます。

 

草も虫もすべて受け入れよう。

ぶどう

自然に近い形で栽培するのが一番いいと思うんです。

除草剤や殺虫剤なんかも、もっともっと減らしていきたいし・・。

自然との上手な付き合い方をどんどん経験していこうとおもいます。